7/3(金曜日)です。
このブログは、インプラントに関する
基礎の
基礎を学ぶブログです。
毎週
金曜日にアップしています。
今日のテーマは、
『ソケットプリザベーション法:その2』です。
前回のブログでは、抜歯した穴が塞がるのにかなりの時間がかかることを解説しました。
また、抜歯を行うと骨の吸収が40〜60%起ることを説明しました。
つまり、抜歯した穴には、骨は完全にはできず、逆に抜歯した穴の周囲に残った骨が吸収してしまうのです。
抜歯した穴が吸収してしまうと その後に行うインプラント治療にも大きく影響してきます。
もちろん抜歯した穴(骨)が吸収しないことが良いのです。
前回から解説している『ソケットプリザベーション法』とは、
歯を抜いた穴をできるかぎり吸収させず、温存することを目的とした治療法なのです。
その方法として、抜歯と同時に 抜歯してできた穴に 人工骨 等を入れ、骨吸収が起るのを防ぐことと、骨の再生を促進さえる方法があります。
このブログは、『インプラントの基礎』をテーマとしたブログですが、
『ソケットプリザベーション法』を解説するには、少し難しい話をしなければなりません。
それでは、今回は、抜歯した部位(穴)の骨吸収のメカニズムを解説したいと思います。
まず、理論上、 抜歯した穴には なにもしなくても骨は再生します。
例えば、腕 や 足 を骨折したとします。
骨折した 腕 や 足 はギブスをし、安静にするとくっつきます。
もちろん年齢等によりくっつく期間は違いますが…
これは『骨の細胞』が再生する能力を持っているからです。
この骨の再生に大切なことは3つあります。
1 細胞
2 成長因子
3 足場
難しい言葉ですね。
それぞれについて わかりやすく説明します。
まず、『細胞』です。
これはなんとなくわかりますよね。
骨の元となるものです。
これが、ないと骨はできません。
当たり前ですが…
次に『成長因子(せいちょういんし)』です。
あまり聞き慣れない言葉です。
『成長因子』とは、特定の細胞の増殖や分化を促進する内因性のタンパク質の総称です。
これもちょっと難しい言い方ですが、
『細胞増殖因子(さいぼうぞうしょくいんし)』と言うと 先程よりちょっとわかりやすくなったかと思います。
細胞が増えるために働く(手助けする)物質です。
次に『足場』です。
これも なんだか わからないですね。
簡単に言いますと『骨ができる場所』です。
骨が再生(増える)ためには場所がないとダメです。
よく骨の再生について 患者様に以下のように例えて話すことがあります。
コップの中に血液を満たします。
この血液が入った コップの中 に骨の細胞を入れたとします。
そうすると この コップの中 で骨の細胞は増殖しますが、コップの外では骨の細胞は増殖することはできません。
つまり、血液が満たされた コップの中 が『足場』なのです。
『足場』を別の言い方をすると
骨の細胞が生きるための、『住む場所(家)』と言ってもいいでしょう。
『細胞』は自分達が生きることができる『家』の中でしか動くことができません。
骨の再生に大切な『足場』は細胞が生きるための『家』なのです。
『家』がなければ、生きられないのです。
ちょっと難しい話ですが、
骨の再生の話をするためには どうしても知っておきたい『3つの条件』です
『骨が再生する3つの条件』がそろえば、抜歯した穴(抜歯窩)に骨はできるはずです。
その3つの条件を邪魔するのが『歯肉』です。
なぜ『歯肉』?
骨が再生するスピードは『遅い』のです。
わかりやすい話として 骨折 があります。
骨折した腕や足がギブスをしてくっつくまで、2〜3日ということはありませんよね。
骨折した部位が結合(くっつくまで)するまで、1ヶ月、2ヶ月、場合によりそれ以上という感じがしますよね。
つまり、骨の再生するスピードは遅いのです。
それに反して、『歯肉』や『皮膚』が治るスピードは非常に『早い』のです。
例えば、指を切ったとします。
健康な方であれば、傷口がくっつく(治る)まで 何ヶ月もかかる ということはありませんよね。
ちょっと切っただけであれば、通常1日でくっつきます。
(厳密には1日ではありませんが…)
つまり、『歯肉』や『皮膚』は治りが早いということです。
話を戻します。
先に理論上、 抜歯した穴(抜歯窩)には なにもしなくても骨は再生すると話しました。
しかし、実際には抜歯した穴(抜歯窩)に骨ができる前に 再生スピードの早い歯肉 が先に治ってしまいます。
つまり、抜歯窩に歯肉が入り込んでしまのです。
これは もし、抜歯でできた穴に『ばい菌』が入り込むと身体は感染してしまいます。
そのため、抜歯した穴(傷口)を生体は早く、ふさぐ必要性があります。
ばい菌から感染しないための生体の働きです。
抜歯窩もまったく同じです。
抜歯でできた穴から ばい菌 が入り込まないように歯肉はどんどんと急いで増殖し、抜歯窩を埋めます。
埋まってしまった抜歯窩には骨が再生する『場所』がなくなってしまいます。
骨が再生する『場所』がないため、骨は再生しないのです。
この『骨の再生する場所』を作ることが『ソケットプリザベーション』の大きな目的になります。
少しずつですが、なんとなく『ソケットプリザベーション』についてわかってきたと思います。
次回もこの続きになります。
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