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スプリティング法、スプリットクレスト法、OAM(大口式)法

8/13(金曜日)です。

このブログは、インプラントに関する基礎基礎を学ぶブログです。
毎週金曜日にアップしています。

始めに夏期休暇のお知らせです。
8/16(月)までお休みさせていただきます。
緊急の場合には、メールでご連絡下さい。
info@sugiyama-d.sakura.ne.jp

今日のテーマは、先週最後に話しがでた『スプリティング法、スプリットクレスト法、OAM(大口式)法』です。
これらの3つの治療法は、基本的には同じような処置です。
言い方が違うだけです。
この方法が現在のインプラントを大きく変えたといってもいいでしょう。
非常にすばらしい治療法です。

それでは、これらの治療法はどのような処置なのでしょうか?
まず、一般的なインプラントの話しからしましょう。

従来、インプラント手術は『ドリル』で骨を削り、できた穴にインプラントを埋入するという方法でした。
通常、インプラントの太さ(直径)は、約4ミリ(メーカーによっても種類によっても多少違います)です。
この太さ約4ミリのインプラントを埋入するために、
始めは1~2ミリ程度の細いドリルで穴を開け、少しずつ太い『ドリル』を使用し、
最終的にインプラントより若干小さい大きさまで、骨に穴を開けます。(下図参照)
1875282900
この治療法は当たり前の治療法として行われてきました。
しかし、骨を削るため、出血を伴い、腫れや痛みの原因となっていました。

また、実際の臨床では 骨幅が十分に存在するケースは少なく、
歯根破折
歯がないまま長期間そのままになっている
歯周病
等が起こった結果、骨吸収を起こしている症例の方が多いのが現状です。
先程解説したようにインプラントの太さ(直径)は 約4ミリです。
4ミリの太さ(直径)のネジを埋め込むためには、それ以上の太さの骨幅が必要になります。
インプラントよりも骨幅の方が太いことが重要なのです。
具体的には、6ミリ程度の骨幅があることがインプラント治療を適切に行うために必要だということです。
しかし、実際には骨幅が6ミリもあることは少なく、
骨幅が2ミリとか 
3ミリしか存在しないケースも多いのです。
こうした骨吸収が起こっている場合には、
骨を増大(再生)する治療を行うことが必要です。
骨を増大(再生)させる治療をGBR法(骨増大法) と言います。
インプラント治療においては、かかせない治療です。
当医院のようにインプラント治療をメインに行っている歯科医院では、
他の歯科医院で断られたような難症例の患者様が多くいらっしゃるため、
インプラントを行うための骨が十分存在していないことの方が多いです。
そのため、インプラント治療を行う方の半数以上はGBR法(骨増大法) を併用してインプラントを行います。

ここで大きく問題となるのが、GBR法(骨増大法) による患者様への影響です。
骨吸収が大きければ 大きい程 治療後の反応(腫れ)も大きくなります。
患者様にとっては、腫れたりすることは可能な限り避けたいものです。

腫れる原因としては、いくつかのことが考えられます。

骨吸収が大きい場合には、GBR法(骨増大法) の際に人工の骨を使用することが一般的です。
人工の骨は安全性は非常に高いのですが、生体にとってはやはり異物であることになりますので、
一時的には異物反応が起こります。
生体にとっては、まったく問題はありませんが、
異物反応による一時的な腫れが起こります。

また、骨吸収が大きければ 大きい程 治療の難しさがでてきます。
難しい治療の場合、手術時間もかかります。
手術時間がかかれば かかるほど 治療後の腫れも大きくなってきます。

また、骨吸収が大きい程、治療の難易度が高くなるため、治療の結果がでない(うまくいかない)等のトラブルも起こりやすくなります。

また、骨吸収が起こっている場合、インプラントを専門としている歯科医師でないとできないこともあります。

さらに いくらGBR法(骨増大法) を行っても骨は完全に元に戻ることはありません。
GBR法(骨再生治療)には限界 があるのです。
特に骨の高さが少ない場合には、もとに戻すことは難しいことです。
そのため、あまりにも骨吸収が起こっている場合には、
結果的にインプラント治療が無理になることもあります。
また、骨の増大ができたとしても 完全に骨の回復が達成できないため、
歯肉が退縮したままとなり、審美的にも問題が起こります。

骨吸収が大きい場合には、なにを行っても難しいのです。

できるかぎりGBR法(骨増大法) を避けた方が治療後の腫れも少ないですし、手術の難易度が下がるために 多くの歯科医師が手がけることが可能になるのです。

そうした骨吸収が起こっている症例に対して、可能なかぎりGBR法(骨増大法) を行わないで治療する方法が スプリティング法、スプリットクレスト法、OAM(大口式)法 なのです。

スプリティング法、スプリットクレスト法、OAM(大口式)法は、
ドリルをほとんど使用しないで、インプラントを埋入するための骨穴を形成する手術方法です。
ドリルで骨をほとんど削らないので安全、確実、だから外科的侵襲も最小限になります。
本日は、上記の3つの中からOAM(大口式)法について解説します。

この治療法は最初の段階のみ非常に細い器具(ドリル等)を使用することがあります。
その後、最初の小さな穴に骨を広げる器具を挿入します。
これは『ドリル』ではありません。
骨幅を広げる器具を順次大きいものにし、穴をどんどんと拡大します。
この時、『骨は本当に広がるのか?』と思われるかもしれません。
骨には弾性があります。
骨をゆっくりと押し広げることにより、穴は少しづつ大きくなるのです。
このような骨の穴を押し広げる器具を順次大きいものにします。
分かりやすく例えると、木(板)にヌジ付きの釘をドライバーでねじ込むようなものです。
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先に記載したようにインプラントの幅(直径)は約4ミリです。
約4ミリのインプラントを埋入するためには骨の幅は約6ミリが必要になります。
もし、骨幅が6ミリ以下の場合には、骨の幅を増させるGBR法(骨増大法) が必要になってきます。
GBR法(骨増大法) の欠点として治療の難しさがあります。
5ミリ程度の骨幅であった場合、1ミリ程度の骨幅を増大させるためにGBR法を行うことはさほど難しくありませんが、
始めの段階で1~2ミリしか骨幅が無かった場合には、6ミリまで骨の幅を増大させることは非常に難しい治療になります。
治療の難易度が高ければ、手術時間も長くなり、治療に伴う患者様の大変さも高くなります。(腫れたり、痛みを伴うということです)
また、経験の浅い歯科医師では骨幅を4ミリも5ミリも増大させるような治療は困難を極めます。
難易度が高いということは失敗(骨が増大できない)する可能性も高くなります。
その点、骨幅を押し広げるこの治療法(スプリットクレスト法、スプリットコントロール法、OAMインプラント法等いくつかの名前があります)は、初診時に狭い骨幅であっても少しずつ押し広げることにより、GBR法等を行わなくても骨幅を改善させることが可能になります。

『スプリット:スプリッティング』とは骨を圧迫し、押し広げるという意味です。
もちろんこの方法により、GBR法(骨増大法) がまったくいらなくなったということではありません。
『スプリッティング』による骨幅の拡大量には限界があります。
しかし、確実に治療(骨幅拡大)は楽になります。
例えば、2~3ミリ程度しか骨幅がない場合でも『スプリッティング』により、骨幅を5ミリ程度まで拡大できれば、
あと1ミリ分のみGBR法で骨幅を増大すれば、
良いことになります。
GBR法(骨増大法) により1ミリ骨幅を拡大させることはさほど難しいことではありません。
治療の難易度も低くなりますし、リスクも低くなります。
現実の臨床では骨幅を押し広げる『スプリッティング』と『GBR法』を併用して行うことが多くあります。

本日のブログはこれで終了です。
次回は8/20(金)になります。
本日の続きです。


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プロフィール

インプラント歯周病専門医

Author:インプラント歯周病専門医
インプラントなら横浜の大船駅北口歯科 院長の杉山です。
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     院長履歴
1993年 神奈川歯科大学卒業
1993年 同大学歯周病学講座入局
1999年 日本歯周病学会専門医取得
1999年 東京都にて杉山歯科医院開業
2003年 I.T.Iメンバー認定
2005年 国際口腔インプラント学会認定医取得
2006年 大船駅北口歯科インプラントセンター開業

診療時間:9:30~18:00
休診日 :月曜日、木曜日、祝日
電話  :045-891-3334
住所  :神奈川県横浜市栄区笠間
    1―5―1リーフビル3階

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