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ソケットプリザベーション法:インプラント治療を前提とした抜歯方法

2013年 2月 8日(金曜日)です。

このブログは、インプラントに関する基礎基礎を学ぶブログです。
毎週金曜日にアップしています。

始めに予約に関するお知らせです。

このところ予約が非常に混んでおり、
ご予約の電話をいただいても 患者様のご希望の日時で予約が取れずに
大変ご迷惑をおかけしております。
先日の日曜日も4名の先生で対応しておりましたが、すでに予約で いっぱいでしたので、
当日のご希望も多くありましたが、
来週以降に予約を取らさせていたいた患者様もいらっしゃいました。
特に週末は2週間先まで予約がいっぱいになることが多いため、
あらかじめ日程がお分かりになる方は、お早めにご連絡いただければと思います。


今日のテーマは、『ソケットプリザベーション法:インプラント治療を前提とした抜歯方法』です。



インプラント治療を行うということは、歯が欠損しているということです。
歯を抜歯する理由にはいくつかの原因があります。

代表的な抜歯理由として
虫歯
歯根破折
歯周病
があります。

どのような理由であっても抜歯を行うと歯を支えていた骨が吸収します。
この骨吸収がどの程度あるかによって
インプラント治療の大変差であったり、
インプラント治療方法、
治療結果
に大きく影響してきます。

インプラント治療を良い状態で行うためには、
骨吸収が少ない方が圧倒的に有利です。

しかし、抜歯を行うとある程度骨吸収というのはどうしても起こってしまうのです。

また、抜歯を行うと同然のことながら 抜歯した穴が開きます。
この穴がある程度埋まるまでにも一定期間がかかります。

この一定期間というのは、どの程度の期間かと言いますと、
約2~6ヶ月(場合により1年程度)です。

まず、抜歯した穴(歯肉)が治るまでに約1〜2ヶ月かかります。

次にがある程度回復(再生)するまでには、さらに2~6ヶ月はかかります。

そのため、抜歯後、インプラント治療が可能になるまで約2~6ヶ月以上かかることになってしまいます。

そこで、この期間をできるかぎり短くすることと、
骨の再生を促進させるための方法があります。
『ソケットプリザベーション法』と言います。

それでは、『ソケットプリザベーション法』についてその歴史を含め、
解説したいと思います。

『ソケットプリザベーション:socket preservation 』は、
日本語で『抜歯窩の温存』という意味です。
抜歯窩(ばっしか)と読みます。
『窩』とは抜歯した『穴』のことです。

つまり、歯を抜いた穴をできるかぎり吸収させず、温存することを目的とした治療法なのです。
この治療は1980年頃にはすでに行われていた治療方法です。

『ソケットプリザベーション法』の最初の方法は、
抜歯窩に人工骨を充填するというものでした。

代表的な論文として1985年に Oral Surg Oral Med Oral Pathol誌に発表された Ashmanの報告があります。
この論文によると『人工骨を抜歯窩に入れることにより、抜歯窩の吸収を極力防ぐことができた』
とのことでした。

ただし、現在の『ソケットプリザベーション法』は、Ashmanの報告のような単に抜歯窩に人工骨を入れるという方法ではありません。

現在の『ソケットプリザベーション法』については後で解説します。

話は戻りますが、Ashmanの論文と同様の報告は多数あり、『ソケットプリザベーション法』の効果は実証されています。

ただし、1990年頃になるとちょっとした変化がありました。
それは骨をもっと積極的に再生させようとする方法が取り入れられたのです。
『GBR膜』の誕生です。
使用方法によっては『GTR膜』とも言います。

『GBR膜』と『GTR膜』については ここで話しますとかなり長くなりますので、
ご興味のある方は先にこちら(GBR法を参考にして下さい。

簡単に説明しますと『GBR膜を用いたソケットプリザベーション法』は、従来の人工骨を入れた治療法より 
さらに積極的に骨を再生することが可能となってきました。

1997年に J Periodontol誌 に掲載された Lekovicらの報告でも
『非吸収性のGBR膜を用いたソケットプリザベーション法』の効果が報告されています。

その後、1999年に Atlas Oral Maxillofac Surg Clin North Am誌でSclarが発表した
『 The Bio-Col technique 』があります。

この方法の詳細は、後で詳しく説明しますが、
抜歯窩を清掃後、人工骨を入れ、抜歯でできた穴をコラーゲンで封鎖し、仮歯にてその穴を密封する方法です。
現在、非常に有効な『ソケットプリザベーション』とされています。

また、それを改良した方法(論文)を2004年にImplant Dent誌 でWangが発表しています。
現在では人工の骨にコラーゲンの吸収する膜(GBR膜)を併用し、
歯肉や仮歯で、抜歯窩を閉鎖する方法が多く行われています。

それでは、まず抜歯した部位(穴)の骨吸収のメカニズムを解説したいと思います。

ちょっと難しい話にはなりますが、
インプラント治療のことをもっと知りたいとされている方は、是非ご覧になって下さい。
とてもインプラントの基礎ではありませんが…

まず、理論上、 抜歯した穴には なにもしなくても骨は再生します。
例えば、腕 や 足 を骨折したとします。
骨折した 腕 や 足 はギブスをし、安静にするとくっつきます。
もちろん年齢等によりくっつく期間は違いますが…
これは『骨の細胞』が再生する能力を持っているからです。

この骨の再生に大切なことは3つあります。
1 細胞
2 成長因子
3 足場
難しい言葉ですね。
それぞれについて わかりやすく説明します。

まず、『細胞』です。
これはなんとなくわかりますよね。
骨の元となるものです。
これが、ないと骨はできません。
当たり前ですが…

次に『成長因子(せいちょういんし)』です。
あまり聞き慣れない言葉です。
『成長因子』とは、特定の細胞の増殖や分化を促進する内因性のタンパク質の総称です。
これもちょっと難しい言い方ですが、
『細胞増殖因子(さいぼうぞうしょくいんし)』と言うと 先程よりちょっとわかりやすくなったかと思います。
細胞が増えるために働く(手助けする)物質です。

次に『足場』です。
これも なんだか わからないですね。
簡単に言いますと『骨ができる場所』です。
骨が再生(増える)ためには場所がないとダメです。

よく骨の再生について 患者様に以下のように例えて話すことがあります。

コップの中に血液を満たします。
この血液が入った コップの中 に骨の細胞を入れたとします。
そうすると この コップの中 で骨の細胞は増殖しますが、
コップの外では骨の細胞は増殖することはできません。
つまり、血液が満たされた コップの中 が『足場』なのです。
『足場』を別の言い方をすると
骨の細胞が生きるための、『住む場所(家)』と言ってもいいでしょう。
『細胞』は自分達が生きることができる『家』の中でしか動くことができません。
骨の再生に大切な『足場』は細胞が生きるための『家』なのです。
『家』がなければ、生きられないのです。

ちょっと難しい話ですが、
骨の再生の話をするためには どうしても知っておきたい『3つの条件』です

『骨が再生する3つの条件』がそろえば、抜歯した穴(抜歯窩)に骨はできるはずです。
その3つの条件を邪魔するのが『歯肉』です。
なぜ『歯肉』?

骨が再生するスピードは『遅い』のです。
わかりやすい話として 骨折 があります。
骨折した腕や足がギブスをしてくっつくまで、2~3日ということはありませんよね。
骨折した部位が結合(くっつくまで)するまで、1ヶ月、2ヶ月、場合によりそれ以上という感じがしますよね。
つまり、骨の再生するスピードは遅いのです。

それに反して、『歯肉』や『皮膚』が治るスピードは非常に『早い』のです。
例えば、指を切ったとします。
健康な方であれば、傷口がくっつく(治る)まで 何ヶ月もかかる ということはありませんよね。
ちょっと切っただけであれば、通常1日でくっつきます。
(厳密には1日ではありませんが…)
つまり、『歯肉』や『皮膚』は治りが早いということです。

話を戻します。
先に理論上、 抜歯した穴(抜歯窩)には なにもしなくても骨は再生すると話しました。
しかし、実際には抜歯した穴(抜歯窩)に骨ができる前に 再生スピードの早い歯肉 が先に治ってしまいます。
つまり、抜歯窩に歯肉が入り込んでしまのです。
これは もし、抜歯でできた穴に『ばい菌』が入り込むと身体は感染してしまいます。
そのため、抜歯した穴(傷口)を生体は早く、ふさぐ必要性があります。
ばい菌から感染しないための生体の働きです。

抜歯窩もまったく同じです。

抜歯でできた穴から ばい菌 が入り込まないように歯肉はどんどんと急いで増殖し、抜歯窩を埋めます。

埋まってしまった抜歯窩には骨が再生する『場所』がなくなってしまいます。

骨が再生する『場所』がないため、骨は再生しないのです。

この『骨の再生する場所』を作ることが『ソケットプリザベーション』の大きな目的になります。
少しずつですが、なんとなく『ソケットプリザベーション』について分かったと思います。


次回のインプラント基礎ブログは、2/15(金)になります。



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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
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テーマ : インプラント最新情報
ジャンル : ヘルス・ダイエット

tag : インプラント 歯科医院 歯科治療 インプラント専門医 治療費 GBR法 骨吸収

プロフィール

インプラント歯周病専門医

Author:インプラント歯周病専門医
インプラントなら横浜の大船駅北口歯科 院長の杉山です。
現在、インプラントは歯科治療いとってなくてはならないものとなっています。
それとともにインプラント情報はさまざまなホームページにおいても記載してあります。
このブログではインプラントの基礎について簡単に解説したいと思います。
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また、院長はインプラント認定以外に日本歯周病学会の専門医でもあることからインプラントと歯周病との関連についても解説していきたいと思います。

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     院長履歴
1993年 神奈川歯科大学卒業
1993年 同大学歯周病学講座入局
1999年 日本歯周病学会専門医取得
1999年 東京都にて杉山歯科医院開業
2003年 I.T.Iメンバー認定
2005年 国際口腔インプラント学会認定医取得
2006年 大船駅北口歯科インプラントセンター開業

診療時間:9:30~18:00
休診日 :月曜日、木曜日、祝日
電話  :045-891-3334
住所  :神奈川県横浜市栄区笠間
    1―5―1リーフビル3階

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