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インプラントの治療期間:その8

2013年 6月21日(金曜日)です。

このブログは、インプラントに関する基礎基礎を学ぶブログです。
毎週金曜日にアップしています。

今日のテーマは、インプラントの治療期間:その8』です。


前回までの数回のブログでは、『抜歯即時インプラントについて解説してきました。

『抜歯即時インプラントの利点は、抜歯と同時にインプラントを埋入できるため、治療期間が短くなるだけでなく、麻酔の回数も少なくなります。
もちろん通院回数も少なくなります。
非常に有効な方法です。
しかし、前回でも説明したように抜歯と同時に行える症例の方が少ないのが現状です。
この理由として、いくつかのことが考えられます。
一つ目として、抜歯すると『穴』があきます。
歯が抜けた『穴』です。
この『穴』とインプラントの直径(太さ)はピッタリとは合いません。
通常使用されるインプラントの太さ(直径)は、約4ミリ程度です。
それに対し、抜歯した『穴』の大きさは、4ミリ以上あります。
前歯部では、4~6ミリ程度の場合が多いのですが、
奥歯(臼歯部)では、抜歯した穴は、6~8ミリ程度はあります。
つまり、抜歯と同時にインプラントを埋込むと
抜歯した穴の方が大きく、埋込んだインプラントがブカブカで安定しません。
また、インプラント治療をご希望される方の多くは、
歯周病 歯根破折欠損状態を放置 することにより、骨の吸収が起っているのです。
骨の吸収が起っている患者様の方が圧倒的に多いのです。
骨の吸収が起っている場合には、インプラントを埋入すると同時に骨の再生治療(GBR法 を行います。

このように、抜歯した穴の方が大きかったり、
骨吸収により骨の再生治療(GBR法を行う場合には、抜歯と同時のインプラントはできないことが多いのです。

そのため、ほとんどのケースでは、抜歯後に一定期間を待ち、
インプラントを埋込むことになります。

この一定期間というのは、どの程度の期間かと言いますと、
約2~6ヶ月(場合により1年程度)です。
抜歯した穴が治るまで約2ヶ月かかります。
次に骨がある程度回復(再生)するまでには、さらに4~6ヶ月はかかります。
そのため、抜歯後、インプラント治療が可能になるまで約2~6ヶ月はかかることになってしまいます。

そこで、この期間をできるかぎり短くすることと、
骨の再生を促進させるための方法があります。
『ソケットプリザベーション法』と言います。

それでは、『ソケットプリザベーション法』についてその歴史を含め、解説したいと思います。

『ソケットプリザベーション:socket preservation 』は、
日本語で『抜歯窩の温存』という意味です。
抜歯窩(ばっしか)と読みます。
『窩』とは抜歯した『穴』のことです。
つまり、歯を抜いた穴をできるかぎり吸収させず、温存することを目的とした治療法なのです。
この治療は1980年頃にはすでに行われていた治療方法です。

『ソケットプリザベーション法』の最初の方法は、抜歯窩に人工骨を充填するというものでした。
代表的な論文として1985年に Oral Surg Oral Med Oral Pathol誌に発表された Ashmanの報告があります。
この論文によると『人工骨を抜歯窩に入れることにより、抜歯窩の吸収を極力防ぐことができた』
とのことでした。

ただし、現在の『ソケットプリザベーション法』は、Ashmanの報告のような単に抜歯窩に人工骨を入れるという方法ではありません。

現在の『ソケットプリザベーション法』については後で解説します。
話は戻りますが、Ashmanの論文と同様の報告は多数あり、『ソケットプリザベーション法』の効果は実証されています。
ただし、1990年頃になるとちょっとした変化がありました。
それは骨をもっと積極的に再生させようとする方法が取り入れられたのです。
『GBR膜』の誕生です。
使用方法によっては『GTR膜』とも言います。
『GBR膜』と『GTR膜』については ここで話しますとかなり長くなりますので、ご興味のある方は先にこちら(GBR法を参考にして下さい。

簡単に説明しますと『GBR膜を用いたソケットプリザベーション法』は、従来の人工骨を入れた治療法より さらに積極的に骨を再生することが可能となってきました。

1997年に J Periodontol誌 に掲載された Lekovicらの報告でも『非吸収性のGBR膜を用いたソケットプリザベーション法』の効果が報告されています。

その後、1999年に Atlas Oral Maxillofac Surg Clin North Am誌でSclarが発表した『 The Bio-Col technique 』があります。
この方法の詳細は、次回以降のブログで詳しく説明しますが、
抜歯窩を清掃後、人工骨を入れ、抜歯でできた穴をコラーゲンで封鎖し、仮歯にてその穴を密封する方法です。
現在、非常に有効な『ソケットプリザベーション』とされています。

また、それを改良した方法(論文)を2004年にImplant Dent誌 でWangが発表しています。
現在では人工の骨にコラーゲンの吸収する膜(GBR膜)を併用し、歯肉や仮歯で、抜歯窩を閉鎖する方法が多く行われています。

今日の話は少し難しかったですね。

次回の基礎ブログも本日の続きです。
次回のインプラント基礎ブログは6月28日(金)になります。





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tag : インプラント 歯科医院 歯科治療 インプラント専門医 治療費 GBR法 骨吸収ンプラント 骨吸収

プロフィール

インプラント歯周病専門医

Author:インプラント歯周病専門医
インプラントなら横浜の大船駅北口歯科 院長の杉山です。
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     院長履歴
1993年 神奈川歯科大学卒業
1993年 同大学歯周病学講座入局
1999年 日本歯周病学会専門医取得
1999年 東京都にて杉山歯科医院開業
2003年 I.T.Iメンバー認定
2005年 国際口腔インプラント学会認定医取得
2006年 大船駅北口歯科インプラントセンター開業

診療時間:9:30~18:00
休診日 :月曜日、木曜日、祝日
電話  :045-891-3334
住所  :神奈川県横浜市栄区笠間
    1―5―1リーフビル3階

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