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高齢でもインプラント治療は可能か?:その2

2014年 9月12日(金曜日)です。
このブログは、インプラントの基礎を紹介しています。

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今週末(9月14日:日曜日)は、
日本口腔インプラント学会出席のため、院長不在となります。
また、午後は休診となります。



このブログは、インプラントに関する基礎基礎を学ぶブログです。




今日のテーマは、『高齢でもインプラント治療は可能か?:その2』です。


前回『骨粗鬆症(こつそしょうしょう)』の話しを行いましたので、
本日はさらに詳しく解説します。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、
『骨の強度低下により骨折のリスクが高くなる疾患』
と定義されています。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、社会的も大きな問題になっています。
2009年時点で 日本において 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の患者様は、1,100万人とされています。

骨折は、高齢者にとって大きな問題であり、
厚生労働省の『平成19年度 国民生活基礎調査』によると
要介護の原因として転倒•骨折によるものが全体の9%となっています。
これは、要介護の原因第5位です。
ちなみに 第一位は脳卒中(23.3%)、
第二位は認知症(14.0%)ですから
転倒•骨折の9%は、要介護の原因としていかに高いかが分かるかと思います。
高齢者において、大腿骨骨折 等を起こすと その後自立が困難となることが多いのです。

本日のテーマは、
『骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の薬 と インプラント治療』
ですが、どのような関係があるのでしょうか?

骨粗鬆症の薬として使用頻度が高いのがビスフォスフォネート剤です。
この薬を服用されている場合、
インプラント治療や
抜歯を行うと問題が生じるのです。

ビスフォスフォネート剤の問題点として、
2003年に米国で顎骨壊死(がっこつえし)が報告されました。
顎骨壊死とは、その名前のとおり 顎の骨が腐って(壊死して)いく病気です。
なぜ顎骨壊死(がっこつえし)が起こるのかという正確なメカニズムは2010年現在分かっていません。
現段階(2010年)で考えられることとして、

 顎の骨は、他の骨より血行に富んでいる
 噛む力が頻繁に顎の骨におよぶため、骨折しやすい
 歯肉の厚みは、腕や足の粘膜より薄く傷等で粘膜が切れやすい
 口腔内は、常に食事をする場所であるため、炎症がおきやすい

等が考えられていますが、正確なところは分かっていません。

ビスフォスフォネート剤を使用している患者様が、
抜歯等の歯科治療を行うと 抜歯部が治らずに骨がむき出しになり、
骨の壊死が起こることが報告されています。
ただし、顎骨壊死(がっこつえし)は、ビスフォスフォネート剤を使用している全ての人に起こるわけではありません。
使用方法 や 使用期間…等ざまざま な条件によって違ってくることが少しずつ分かってきています。

ビスフォスフォネート剤は、
1.注射で行う方法
2.飲み薬として服用する
2つの使用方法があります。

この2つの方法でも顎骨壊死(がっこつえし)の発生頻度が変わってくると言われています。
2007年 米国の口腔顎顔面外科学会では、
ビスフォスフォネート剤を注射で使用した場合、
0.8~12%で顎骨壊死(がっこつえし)が発生すると報告しています。

また、2007年 オーストラリアの口腔顎顔面外科学会では、
ビスフォスフォネート剤を注射で使用した場合、
0.88~1.15%で顎骨壊死(がっこつえし)が発生すると報告しています。
抜歯を行った患者では、6.8~9.1%の発生率と報告されています。

10人に抜歯等の外科処置を行うと 1人程度は顎骨壊死(がっこつえし)が発生するということです。

また、こうしたビスフォスフォネート剤使用による顎骨壊死(がっこつえし)の発生率は、
使用期間が長い場合と
使用量が多い場合で
高くなることも報告されています。

さらに発生率は、
喫煙者7.4倍
肥満の方16.6倍
リスクが高くなるとも報告されています。

それに対し、ビスフォスフォネート剤を経口で服用する場合
注射で行う場合と比較すると顎骨壊死(がっこつえし)の発生率は低いとされている。
また、アジア人と欧米人では、アジア人の方が顎骨壊死(がっこつえし)の発生率が高い可能性も示唆されている。(まだ確立されたデータではない)

上記のようなデータは、まだ確立されたものではありませんし、
ビスフォスフォネート剤使用による顎骨壊死(がっこつえし)の発生メカニズムも完全には解明されていませんが、問題が起こっているのも事実です。

そのため、リスクを少しでも減らすためには、
ビスフォスフォネート剤を使用する前に 徹底した歯科治療を完了させることが重要です。

例えば、抜歯が必要な歯があった場合には、ビスフォスフォネート剤治療前に抜歯するとか
不適合な義歯(入れ歯)を使用していると粘膜に傷がつき、そこから感染が起こり、顎骨壊死(がっこつえし)を引き起こす可能性があるため、義歯の調整をきちんと行う必要性もあります。

また、歯周病 等の問題がある場合には、ビスフォスフォネート剤治療前に徹底して治療を完了させておくことが重要です。

それでは、ビスフォスフォネート剤をすでに使用されている場合はどうすれば良いのでしょうか?

ビスフォスフォネート剤が注射によるものか
経口服用によるものかにもよって違いますが、
2007年の米国口腔顔面外科学会のガイドラインによると

ビスフォスフォネート剤の使用期間が3年未満の場合で、
他のリスクが低い場合には、
ビスフォスフォネート剤の中断を行わないで歯科治療を行うべきとされている。
ここでのリスクとは、悪性腫瘍がある方、ステロイド療法を行っている方、放射線療法を行っている方、
糖尿病の方、人工透析を上受けている方、喫煙者、肥満の方…等です。

もし、リスクがあれば、リスクを回避(改善)することを行い、
一定期間ビスフォスフォネート剤の中断を行ってから歯科治療を開始した方が安全性が高いとなっている。

しかし、ビスフォスフォネート剤の使用期間が3年以上の場合や
リスクがある患者様の場合には、
ビスフォスフォネート剤を3ヶ月以上中断してから検討する必要性があるとしている。(ただし、この休止期間の3ヶ月という期間には確定した根拠はまだない)

インプラント治療 と ビスフォスフォネート剤との関係については、
まだ、研究数が少ないので正確ではありませんが、
経口服用であり、使用期間が短い、リスクが少ない 患者様の場合には、
ビスフォスフォネート剤を使用していない患者様と比較して 成功率に差はないことが報告されている。
しかし、こうしたデータも確立されたものではありません。
現段階では、ビスフォスフォネート剤使用患者様に対して積極的にインプラント治療を行わない方が良いと考えられます。

もし、このブログを読まれている患者様の中で、すでにビスフォスフォネート剤をご使用されている場合には、
早めに歯科を受診し、現状をきちんと把握することが大切です。
そして、将来性を考え、もし抜歯が必要と考えられる歯があれば、状況により早めに抜歯 等の対応をとった方が良い場合もあります。
高齢になればなるほど患者様のリスクは高くなってきますので、リスクが少ないうちにきちんと対応することが必要です。

このブログは、インプラントの基礎に関するブログです。
このブログが始まって以来 毎週金曜日にアップしていましたが、
今年の4月から毎週 大学で講義を行うことになったため、
ブログの更新が不規則になると思います。
毎週ご覧になっていただいている方も多くいらっしゃるかと思いますが、ご理解いただければと思います。
できるかぎり毎週金曜日にアップしたいと考えております。

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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
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プロフィール

インプラント歯周病専門医

Author:インプラント歯周病専門医
インプラントなら横浜の大船駅北口歯科 院長の杉山です。
現在、インプラントは歯科治療いとってなくてはならないものとなっています。
それとともにインプラント情報はさまざまなホームページにおいても記載してあります。
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     院長履歴
1993年 神奈川歯科大学卒業
1993年 同大学歯周病学講座入局
1999年 日本歯周病学会専門医取得
1999年 東京都にて杉山歯科医院開業
2003年 I.T.Iメンバー認定
2005年 国際口腔インプラント学会認定医取得
2006年 大船駅北口歯科インプラントセンター開業

診療時間:9:30~18:00
休診日 :月曜日、木曜日、祝日
電話  :045-891-3334
住所  :神奈川県横浜市栄区笠間
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