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骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とインプラント

2016年 9月 9日(金曜日)です。
このブログは「大船駅北口歯科 インプラントの基礎専門サイト」です。

始めに9月の長期休診案内です。

9月10日(土曜日)~9月15日(木曜日)まで休診となります。

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このブログは、インプラントに関する基礎基礎を学ぶブログです。

このブログは、インプラントの基礎に関するブログです。


今日のテーマは、
『骨粗鬆症(こつそしょうしょう) と インプラントです。


このテーマは、今まで何度か解説したことがあります。

とても重要な話なので再度解説したいと思います。

現在骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の薬を服用されている方が非常に多くいらっしゃいます。

ご存知のことと思われますが、
現在骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、
『骨の強度低下により骨折のリスクが高くなる疾患』
と定義されています。

日本において 現在骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の患者様は、
1,100万人以上いると言われています。

それでは、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の方では、
インプラント治療ができないのか?

というご質問を良く受けます。

結論から言えば、
骨粗鬆症であるからと言って
インプラント治療が不可能ということではありません。

実際に骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の方にインプラント治療を行った成功率と
骨密度に問題がない方にインプラント治療を行った場合の成功率では、
統計学的に差はないと言われています。

つまり、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の方も
インプラント治療が可能であるということです。

それでは、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の方のなにが問題なのでしょうか?

それは、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の薬として使用されている
ビスフォスフォネート剤が問題となる場合があるのです。

ビスフォスフォネート剤は、
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)に対して非常に高い効果を発揮しています。

臨床試験においても
閉経後骨粗鬆症において40%以上、
ステロイド性骨粗鬆症においては70%以上
の骨折リスクを低下させることが報告されています。

このようなこともあり、日欧米では骨粗鬆症治療薬の約60%が
ビスフォスフォネート剤になっているのです。

しかし、ビスフォスフォネート剤が高頻度に使用されるようになり、問題点も出始めました。

ビスフォスフォネート剤の問題点として、
2003年に米国で顎骨壊死(がっこつえし)が報告されました。

顎骨壊死とは、
その名前のとおり 顎の骨が腐って(壊死して)いく病気です。

顎骨壊死(がっこつえし)が起るメカニズムとして
顎の骨は、他の骨より血行に富んでいる
噛む力が頻繁に顎の骨におよぶため、骨折しやすい
歯肉の厚みは、腕や足の粘膜より薄く傷等で粘膜が切れやすい
口腔内は、常に食事をする場所であるため、炎症がおきやすい
等が考えられています。

ビスフォスフォネート剤を使用している患者様が、
抜歯等の歯科治療を行うと 抜歯部が治らずに 骨がむき出しになり、
骨の壊死が起こることが報告されています。

ただし、顎骨壊死(がっこつえし)は、
ビスフォスフォネート剤を使用している全ての人に起こるわけではありません。

使用方法 や 使用期間…等ざまざま な条件によって違ってくることが少しずつ分かってきています。

ビスフォスフォネート剤は、
注射で行う方法
飲み薬として服用する
2つの使用方法があります。

この2つの方法でも顎骨壊死(がっこつえし)の発生頻度が変わってくると言われています。

2007年 米国の口腔顎顔面外科学会では、
ビスフォスフォネート剤を注射で使用した場合、
0.8~12%顎骨壊死(がっこつえし)が発生すると報告しています。

また、2007年 オーストラリアの口腔顎顔面外科学会では、
ビスフォスフォネート剤注射で使用した場合、
0.88~1.15%顎骨壊死(がっこつえし)が発生すると報告しています。
抜歯を行った患者では、6.8~9.1%の発生率と報告されています。

10人に抜歯等の外科処置を行うと1人程度は顎骨壊死(がっこつえし)が発生するということです。

また、こうしたビスフォスフォネート剤使用による顎骨壊死(がっこつえし)の発生率は、
使用期間が長い場合と
使用量が多い場合で
高くなることも報告されています。

さらに発生率は、
喫煙者7.4倍
肥満の方16.6倍
リスクが高くなるとも報告されています。

それに対し、ビスフォスフォネート剤経口で服用する場合
注射で行う場合と比較すると顎骨壊死(がっこつえし)の発生率は、低いとされています。

また、アジア人 と 欧米人では、
アジア人の方が顎骨壊死(がっこつえし)の発生率が高い可能性も示唆されています。(まだ確立されたデータではない)

ビスフォスフォネート剤使用による顎骨壊死(がっこつえし)の発生メカニズムも完全には解明されていませんが、問題が起こっているのも事実です。

そのため、リスクを少しでも減らすためには、
ビスフォスフォネート剤を使用する前に 徹底した歯科治療を完了させることが重要です。

例えば、抜歯が必要な歯があった場合には、
ビスフォスフォネート剤治療抜歯するとか

不適合な義歯(入れ歯)を使用していると粘膜に傷がつき、そこから感染が起こり、
顎骨壊死(がっこつえし)を引き起こす可能性があるため、
義歯の調整をきちんと行う必要性もあります。

また、歯周病 等の問題がある場合には、ビスフォスフォネート剤治療に徹底して治療を完了させておくことが重要です。

それでは、ビスフォスフォネート剤すでに使用されている場合はどうすれば良いのでしょうか?

ビスフォスフォネート剤
注射によるものか
経口服用によるものかにもよって違いますが、
2007年の米国口腔顔面外科学会のガイドラインによると
ビスフォスフォネート剤の使用期間が3年未満の場合で、
他のリスクが低い場合には、
ビスフォスフォネート剤の中断を行わないで歯科治療を行うべきとされています。

ここでのリスクとは、悪性腫瘍がある方、ステロイド療法を行っている方、放射線療法を行っている方、
糖尿病の方、人工透析を上受けている方、喫煙者、肥満の方…等です。

もし、リスクがあれば、リスクを回避(改善)することを行い、
一定期間ビスフォスフォネート剤の中断を行ってから歯科治療を開始した方が安全性が高いとなっている。

しかし、ビスフォスフォネート剤の使用期間が
3年以上の場合や
リスクがある患者様の場合には、
ビスフォスフォネート剤3ヶ月以上中断してから検討する必要性があるとしている。(ただし、この休止期間の3ヶ月という期間には確定した根拠はまだない)

インプラント治療 と ビスフォスフォネート剤との関係については、
まだ、研究数が少ないので正確ではありませんが、
経口服用であり、使用期間が短い、リスクが少ない 患者様の場合には、
ビスフォスフォネート剤を使用していない患者様と比較して 成功率に差はないことが報告されています。

しかし、こうしたデータも確立されたものではありません。
現段階では、ビスフォスフォネート剤使用患者様に対して積極的にインプラント治療を行わない方が良いと考えられます。

もし、このブログを読まれている患者様の中で、
すでにビスフォスフォネート剤をご使用されている場合には、
早めに歯科を受診し、現状をきちんと把握することが大切です。

そして、将来性を考え、もし抜歯が必要と考えられる歯があれば、
状況により早めに抜歯 等の対応をとった方が良い場合もあります。

高齢になればなるほど患者様のリスクは高くなってきますので、
リスクが少ないうちにきちんと対応することが必要です。


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大船駅北口歯科インプラントセンターインプラント 歯周病 専門医
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プロフィール

インプラント歯周病専門医

Author:インプラント歯周病専門医
インプラントなら横浜の大船駅北口歯科 院長の杉山です。
現在、インプラントは歯科治療いとってなくてはならないものとなっています。
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     院長履歴
1993年 神奈川歯科大学卒業
1993年 同大学歯周病学講座入局
1999年 日本歯周病学会専門医取得
1999年 東京都にて杉山歯科医院開業
2003年 I.T.Iメンバー認定
2005年 国際口腔インプラント学会認定医取得
2006年 大船駅北口歯科インプラントセンター開業

診療時間:9:30~18:00
休診日 :月曜日、木曜日、祝日
電話  :045-891-3334
住所  :神奈川県横浜市栄区笠間
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